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PLC異議申し立て電波監理審議会
異議申し立て第2回審理 参加記
 2007年10月23日

 2007年10月23日午後2時より第一回目同様、総務省1101会議室で行われた電波監理審議会に対するPLC型式指定の異議申し立ての第2回審理について報告致します。

 1回目は西本審理官に対する忌避申立でしたから、今回が実質審理になります。

 申立人側出席者 代理人として海渡弁護士、只野弁護士、村上弁護士。申立人10名。

 総務省側4名、参加人(メーカー)出席10社、欠席3社。

 傍聴者はJARL近藤技術課長を含む数名が参加。

 定刻、西本審理官により開会が宣言され開始されました。

 まず出席者の確認が行われ、続いて準備書面の確認が行われました。只野弁護士より今回の申立人側の議論の概要と準備書面の訂正について発言。国及び参加人からは、準備書面で提出した通りで変更はないと発言。

 ここで海渡主任弁護人(東京共同法律事務所)より「参加人の準備書面は全て同じ書式で書かれている。なぜ同じものになったのか聞かせて欲しい」と最初の一発質問が出ます。西本審理官が一社づつ理由を説明するよう促します。

 それに対して、インターネットを見た、他社と相談した、各種情報をもとにした等と困惑しながら4、5社が答えたところで、西本審理官が「代理人(弁護士)は何の為にこの質問をするのか」と尋ねます。

 海渡弁護士が「全て全く同じ書式での準備書面というのは、国から参加するようにという指示が出ているのではないかと思われる」と答えます。参加人からはそのようなことはないとということでした。これでこの質問は終わり。

 只野弁護士が「直前に18もの型式指定が取り消しになった。これは型式指定全体の1/3にも達する。異常なことだ。取り消された分については異義申立を取り下げるが、国は取り消しの理由を開示して欲しい」と求めます。

 さらに「我々はPLCの実際のノイズ実験を行っているが、国との共同実験を求めたい」と要求しました。

 その後準備書面の確認と他の機種に対する3件の異義申立を一括して審理することを決めて、いよいよ我々の実験についてパワーポイントを使ってのプレゼンテーションが行われました。

 西本審理官がプレゼンはどれ位の時間か、30分位か?と制限したそうなそぶりでしたが、そのまま始めました。

 土屋正道氏(JA2GXU)が1台1500万円もするベクトルシグナルアナライザーを駆使して、静岡県裾野市での漏洩実験、周囲雑音の測定、配電線のLCL測定について全て絶対値を計測しての詳細を究めたものでした。

 国の設定した周囲雑音が実際より非常に高く設定されていることが明らかになったこと。田園地帯での離隔距離30mで評価しても全てのPLCで漏洩ノイズが強いと証明しました。最近出されたNATO軍のPLCに対する規制勧告を説明して終了。

 続いて青山貞一氏(JA1IDY)の実験は三浦市、成田市での漏洩実験を同じく測定器(アナログ式電測器)を使っての絶対値測定の概要報告です。使用測定器の限界で周囲雑音を実際より推定で10dB以上高めのメーカーにとって有利な条件で評価したことを説明。測定数と漏洩データの率を算出して試験したPLCが規定条件を外れていることを証明。

 そしてノイズによる受信障害の実態を756proIIIのスペアナ画面(バンドスコープ)と音声を交えての迫力満点の実演。メーカーは自主的にノッチを入れてアマチュア無線からのクレームを避けているのは、漏洩ノイズが受信障害を引き起こすことを知っているからに他ならない。

 ノッチ無しで障害の出ないようにすべきと力説します。最後に、ITUの国際会議で日本代表は米国に追随して放送受信に対するPLCの干渉保護規定を外すよう意見を出すそうだが、従来の日本の意見をひっくり返すのはおかしいと述べて終了しました。

 このような詳しい、しっかりした実験報告がアマチュア側から出されるとは西本審理官、総務省官僚はもとより、メーカーの代理人もおそらく想定していなかったでしょう。準備書面で報告するより遙かに強いインパクトを与えることが出来たと思います。

 プレゼン終了後、西本審理官が国側に対してパワーポイントでのプレゼンテーションに対しての意見はと尋ねますが、持ち帰って書面で後日回答すると答えるのみでした。

 海渡弁護士から重ねて共同実験実施の要求が出されました。

 3:50分、休憩無しに1時間50分審理が続けられ終了しました。プレゼンテーションは1時間は超していたと思います。傍聴していた皆さんからは「非常に説得力ある実験説明であった。これなら国に勝てそうじゃないか」という感想を頂きました。

 次回の審理は12月(期日未定)に開催されます。この時に今日の我々の主張に対する反論を出してきます。

    PLC行政訴訟事務局
    JA1ELY 草野利一