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事実は小説より奇なり、
受信障害を体験させよう!
 

    JA1IDY 青山貞一(武藏工大教授)

出典:月刊ファイブナイン2007年10月号 巻頭言
 
 紆余曲折しながらPLCの行政訴訟と異議申し立てを進めている。実感するのは法廷や審査の場で得られることの少なさである。対照的にそれ以外の場で得られる知見や情報、経験の豊富さもある。

 前号で報告したように、PLCの受信障害実験を行い、改めて省令改正による障害が明確になった。

読者らに受信障害を体験いただくため、8月下旬、公式Webに、クリックするだけで聞こえている強力な商業放送が一瞬にして聞こえなくなる体験コーナーを設けた。アマチュア帯はメーカーの自主規制により受信障害は確かに少ない。だがメーカーはノッチを入れなくても行政法上の違法はない。だが、メーカーが自主的にノッチを入れなければ微弱なDX信号はまったく聞こえなくなることは間違いない。

 実験ではアマチュアも使用する4630KHzでも行った。なぜかメーカーは、この非常通信周波数にノッチを入れ忘れている。受信実験で微弱なCW信号は聴取できなくなった。地震、災害などで使うきわめて重要な周波数である。責任は一体誰がとるのか。

 現在、原告団は漏洩電界の定量検査も行っている。 それを含めて秋からの公判や審査会に証拠提出する。

 件(くだん)の総務官僚は、実際の被害を目の当たりにして、内心、真っ青になるだろう。なぜなら、官僚は「権威主義」、「机上の空論」、すなわち後述する「虚偽の小説」ばかりで、現実に接しないのが常だからだ。PLC受信障害でも、彼らは一度たりとも自分の耳と目で障害を体験していないと思う。

彼らがすることはといえば、委員会で○○教授がこう言っていたなど、現実に目をそらし、自分たちの都合だけで省令改正や法改正をしているのである。

現実と接しない、接する機会が少ないのは判事も同じだろう。
 ところで、この8月、友人の弁護士が、画期的な行政訴訟に勝利した。千葉県が一端下した管理型ゴミ処分場の設置許可を千葉地裁で行政訴訟で取り消させた。全国初の許可取り消しの行政訴訟勝利である。この裁判で弁護士は、書面による審議だけでなく、いかに判事に現実、事実、実態を見させるかに努力した。

 科学技術を含む環境訴訟では、目と耳で実際被害を体験することが大切である。

 「事実は小説より奇なり」という文がある。英国の詩人、バイロンのものだ。世の中に実際に起こる出来事は、虚構の小説より奇妙で不思議であるという意味だ。PLCの場合、挙行の小説=学者による

シミュレーションといえる。日本の官僚や判事は、霞ヶ関から抜け出て事実、現実を直視して欲しい。

 体験コーナーは以下のURLにあります。
 http://plcsuit.jp/PLCexp2.htm